ビックリしたくない
夕方、ドアチャイムが鳴ったのでインターフォンで出る。
男「どうも~浄化槽の切り替えにうかがいました~」
私「は?なんにも聞いていないですけど?」
男「ええ最近この地区の担当になりましてぇ~ちょっといいですかぁ?」
なんか話がかみ合わないな~と思いつつも、ドアを開けた。
作業服を着た若いにーちゃんだ。「日本○○」と社名の入った名札をつけている。
男「浄化槽の切り替えを(なんちゃらかんちゃら…)ちょっと流しを見させてもらってよろしいですかぁ?」
あ!これ前にも来たことがある。
水道水に試薬入れて黄色く変色したらどーたらこーたら、ってやつだ。
しかしこのにーちゃん、ところどころ笑いを混ぜたようなしゃべり方で、なに言ってんだかよく聞き取れない。
私「ウチは結構です」
男「えっえっ?結構ってどーゆーことですか?」
私「コップの水に試薬入れて、黄色くなる検査のやつですよね?前にも同じようなところから来て、お断りしたんですよ」
男「そうなんですよ~。水質の検査も(なんちゃらかんちゃら…)」
やっぱり話がかみ合っていない。
半分くらいはなに言ってるのかわかんないんだけど、なんとなく「断る方が変だ」という口調に負けてしまい、台所に連れていった。
前に来た業者の話をしてもひるまない、ってあたりにも惑わされてしまったな。
男「透明なコップをお借りできますか?」
ホラやっぱりじゃん。コップに水道水入れて、なんか試薬ぶち込んで、「塩素の数値がどーたらこーたら」とか言い出すんでしょ?
予想通りの実験(?)が始まり、にーちゃんがいろいろ説明し出す。
でも聞く気にならない。さてこのあとどうやって追い返したもんだか。
男「…で、みなさんに試していただいてるんですねー。すぐ済みますから。えーっとお名前よろしいですか?」
私「えっ?なにを?なにをしろって話ですか?」
男「あ、は、お水を飲み比べてみてください。違いが分かると思いますよ」
私「お水…?あーウチは結構です」
男「えっ?どーしてですか?ただ飲み比べるだけですよ?」
私「いまの状態で不満はないですし、飲み比べる意味がわかんないです」
男「みなさん飲み比べてビックリされてますよぉ」
私「別にビックリしたくないですし」
いまになって冷静に考えれば、言いたいことはいっぱいあったのに。
いやそれ以前に、家に入れる前におかしいと気づいたはずなのに。
ダメダメだなぁ。なんだよ「ビックリしたくない」って^^;
とにかく「飲み比べ」ってやつを拒否しまくっていたら、にーちゃんが折れた。
男「じゃあ…わかりました。奥さんのトコは、とめておきますんで」
そう言ってにーちゃんは帰っていった。「とめておく」って…?なにをだ。
前回も今回も同じところで断ったから、実際なにを売りに来たのかわからずじまい。
しかし、たったこれだけのことで手足がガタガタ。心臓ばくばく。つくづく気が弱いわ…
そのあとで不動産屋さんに電話を入れ、確認してみた。
不「そちらには浄化槽らしきものはありますが、現在は本下水に切り替えてあるので使用されていません。まったく関係のない業者なので、毅然とした態度で断ってください」
なんと。それを先に知っておけばなぁ…
なんつーか、見てもらわなければいけないような感覚にさせるのって、ズルイ。
断っている私の方がおかしいの?って思ったもん。実際。
よくよく考えれば、事前に通知もなく来るのは全部怪しんでかまわないんだよな。
しかも一度同じような目にあっているとゆーのに。学習しろ。私。
ヒトイキついて台所に入ると、黄色い液体の入ったコップがそのまま…
「洗っていけ」とは言わん。せめて流していけ。
いやその前に「コップを汚してすみません」だろ。
いやいやもっと根本的なところで、コップくらい持参してこい!