B級グルメの旅2
東海・中部名古屋めし…といえば、ひつまぶし、きしめん、味噌煮込みうどん…とかいっぱいあるけれど、今回のターゲットは「板スパ」。「鉄板ナポリタン」とも呼ばれるらしい。
しかしいまは午前8時半。社長がチェックしていた店はまだ開いていない。とりあえず車を置いて名古屋駅まで行ってみるが…板スパが食べられそうなお店は見つからない。
しかたなく来た道を戻りつつ路地に入ったりしていたら、「ポピー」という喫茶店を見つけた。板スパは喫茶店メニューらしいし、ここならあるかも…ってことで入ってみることにした。

席に座ってメニューを見ると「イタリアン」の文字が。名古屋では「ナポリタン」でなく「イタリアン」と呼ぶらしいので、きっとこれが板スパだろう…なんて話していたら、店員さんが近づいてきた。上品そうなおばさまだ。
社 あの、このイタリアンって鉄板にのってるやつですか?
店 えっ?あ、はい。そうです
社 いまこれできますか?
店 はい。大丈夫ですよ
さすがに朝からナポリタンひと皿はキツイかもしれない。でもせっかくだから小倉トーストも食べたい…っていう私のワガママで注文に困っていたら、おばさまはモーニングのセットをすすめてくれた。半トーストにドリンクとゆでタマゴがついて、これをふたつとイタリアンひとつ。なるほど…ちょうどいいかもしんない。お値段はイタリアンが700円。トーストセット350円。
まずは板スパことイタリアンが運ばれてきた。熱々の鉄板の上には薄焼きタマゴがまだ半熟の状態で焼かれていて、その上にナポリタン。さらにその上にウインナがのっている。う、うまそー!

店 ご旅行ですか?
社 あ…はい。これを食べに来ました(笑)
店 えっそうなんですか(笑)昔はこれしかなかったんですよ。最近はあんかけなんて出てますけどね
そうそう。名古屋めしといえば「あんかけスパ」も有名だよね。私はまだ食べたことがないけど(^^;
取り分け皿を出していただいたので、社長と分け分けしながら食べる。いわゆる「喫茶店のナポリタン」って感じでうまい。食べているうちに鉄板の熱で麺がカリカリになってきて、これがまたうまいのよ。
そして小倉トースト。トーストの上に小倉あんがのってるもので、これも名古屋めしのひとつ。前にも一度食べたことがあるんだけど今回の方がおいしかったな。

「朝からそんなに食べられない」とか言っていた私に板スパをほぼ半分持っていかれ、ちょっともの足りなげな社長…ゴメン(^^;
車に戻って出発。名古屋城の前を通りかかったので車を停めてもらって写真を撮る。

社 以上!名古屋終わり!次行くぞ
あ マジで?レクなし?
社 今日はレクはありません(笑)
「レクはありません」のくだりはわかるひとにしかわかんないと思うけど…「名古屋終わり」がダジャレだったとは私も気がつかなかった(^^;
ずーっと下を走って飯田に向かう…が、恵那の手前くらいからものすごい渋滞。ぜんぜん動かないのでしかたなくすこし戻り、瑞浪から中央道に乗ることにした。最初は流れてる…と思ったものの、恵那まで来たらやっぱり渋滞。
あ 恵那峡から渋滞って出てる…18キロだって
社 もうどうにもなんねぇな。このまま行こう
この渋滞っぷりを写真に…なんてカメラを構えていたら、何者かがフロントガラスにビシッとはりついた。

あ うわ!なんか来た
社 なに?虫?
あ あ…アメンボだね。ビックリした(笑)
「撮って撮ってぇ」って言ってるようなアメンボと、「アメンボにたかられるほど動いてないのかよ」っていう悲しさとが変なツボに入り、そのまま撮影(^^;
飯田ICで高速を降りる。飯田の「ネギだれおでん」が食べたくてここに来たんだけれども、時間がビミョー。まだ午後3時前だし、おでんを食べさせてくれるようなお店なんて夜にならないとやってないよなぁ…
とりあえず、社長がチェックしていた「すゞめ食堂」というお店に行ってみるが、やはり「準備中」の札がかかっていた。ここは昼もやっているっていう噂があったんだけど…残念。
予定ではこのあと伊那へ行って「ローメン」を食べるつもりだった。
社 どうしようか…ここで夜まで待つとなると、ローメンはもう無理だよな
あ うーん…ローメンか…
社 でもなぁ…そうすると泊まるところが難しいよなぁ…
あ 先にローメン食べに行っちゃう?
社 そのあと飯田に戻ってくるって?その手もあるか
それでもやっぱり宿探しが難しくなりそう。もうちょっと探してみるべぇと飯田駅まで行ってみたら、「おでん」と書かれた看板を発見。

あ あ、おでんだって。ここやってる?
社 やってそうだな
飯田駅前の「〆清」というお店。のれんの下からのぞいてみると、4~5人のお客さんがいて談笑している。のれんも出てるし大丈夫だろうってことで入ってみることにした。
客 お、いらっしゃい
客 どうぞどうぞ
客 どうぞ奥まで。ずず~っと(笑)
客 店のひとじゃないけどね(笑)ちょっとぉーお客さんですよぉー
みんな地元のお客さんらしく、この時間からもうすっかりできあがっちゃってる(^^; コの字型のカウンター席になってて、10人くらいしか座れないって感じの小さなお店。空いている席につくと奥からおやじさんが出てきた。さっそくおでんを注文。
店 おでんは…なんにしましょ
社 えっと…おすすめはなんですか?
店 豆腐はどう?ここに来たら豆腐を食べなきゃ
というわけで、おすすめだという豆腐をいただくことにした。おやじさんはおでん鍋から豆腐を皿にのせ、瓶を出してきて中身をその上にかけた。おおぉぉこれがネギだれかぁー!

あ うんまっ!
社 これはうまいな。そりゃぁ豆腐食べなきゃだよ(笑)
豆腐のおでんなんて食べるのは初めて。半信半疑で口に入れてみたら…衝撃的なうまさだった^^ だしがタプタプにしみこんでて、豆腐だけ食べたってうまいんだよ。これにネギだれの香りとしょっぱさが合わさって…ううううますぎるぅー!
壁にかかったお品書きを見ると「おたぐり」って書いてある。そういえばお店の看板にも、のれんにも書いてあったっけ。なんなんだろう。
社 おたぐりって、なんですか?
店 馬の腸の煮込みだよ
社 へぇ~ちょっと食ってみたいな

いきおいで社長が注文しちゃったそれは、要するに馬のモツ煮。いやぁ私モツ苦手なんだわーとか思いつつも試しにひとくち。独特のニオイにちょっとやられる。やっぱダメだーでももうひとくち…あれ?そんなにニオイ気にならないかも。もうひとくち…ってな感じであとを引く引く。っていうかこれ、うまいでないの^^
馬の腸は20メートルもあるそうで、それをたぐりながら洗うことから「おたぐり」と呼ばれるようになったんだとか。味噌やらしょうゆやらで味付けしているのかと思ったら、塩しか使っていないとのこと。それだけでこんないい味が出るのか…ちょっとビックリだ。
さらにおでん追加でガンモとふくろを注文。もいちどネギだれを堪能し、大満足でお店を出た。
夜まで待たずにおでんを食べることができたので、予定どおり「ローメン」を食べに行くことにする。ローメンは伊那地方の名物麺料理なんだそうだ。
伊那へ向かう途中、道の駅「花の里いいじま」に立ち寄る。
あ あれっ、ここにもローメンあるよ
社 ホントだ。ここで食っちゃうか
伊那市内のお店をチェックしてあったんだけれども、まぁいっかってことでここで食べることにした。道の駅内の「みよし」というお店に入り、ローメン(660円)を注文。おでんからそんなに時間が経ってないので、ふたりで一杯(^^;

見た目は五目焼きそばって感じ。味は薄めでサッパリしてて、どこかもの足りないような、ウマイともマズイとも言えない中途半端な食べ物だ…っていうのが正直な感想(^^; っていうかローメンってもっとソースソースしてるとか、スープに浸ってるとか、そんなイメージだったんだけどな…
どうやらローメンにはスープ風のものと焼きそば風のものがあるらしい。味付けもしょうゆだったりソースだったり、お店によって違うものなんだそうだ。
ずーっと下を走って甲府へ。今夜は甲府で一泊。