大弛峠
案内板の見間違いには気をつけようさて出発
朝5時に起床。とりあえず支度を始めるが、どんな格好していったらいいものか悩む。
あ 山登りなんて…しないよね?
社 わかんない
あ わかんない、ってどゆことよー!
社 いや…行ってみないとわかんないし…
あ んー…じゃサンダルはやめといた方がいい?歩くかもしんないってことで
社 うん、そだね
そうはいってもかなりの標高だって聞いてるし、ドライブついでに山登りなんてナメくさったことできないでしょーよ。と勝手に判断した私はTシャツにジーンズ履き、軽く防寒用に綿シャツを1枚持ち、手提げバッグに運動靴という形で支度を終えた。
社長もTシャツとジーンズ。ところが帽子とウエストポーチとヤッケを持っている。…どうみてもドライブって格好じゃない。なにしに行くってゆーんだ。どんなところなんだ大弛峠。ちょっと不安になったが、私の格好については特になにも言われなかったので、そのまま出発した。
中央道は八王子の手前から大渋滞。つーかETCレーンの方が進みが遅いってどゆことよ…。途中、談合坂SAで朝食。勝沼ICで高速を降りる。
目的地に「大弛峠」を設定すると、ナビ子さんはアタリマエのように長野県側からのルートを指示してきた。母や社長が言う「新しい道」は山梨県側にあるらしい。ナビ子さんはまだこの道を知らないんだな。
あ 新しい道だったら案内板があるでしょきっと
社 そだな
テキトーなこと言ってんな私^^ とりあえず「恵林寺」というところまではナビ子さんに案内してもらい、あとは地図を見ながら社長のカンで進むことにする。
社 たぶんこのへん左に入るんだと思うんだよな…あ、これじゃねーか?
どっかのトンネル(牧丘トンネル?)の手前をいきなり左折する社長。そのまま疑いもナシにぐいぐい進んでいく。途中で付近の案内板を見つけたので車を停め、社長が見に行く。
あ どだった?
社 うーん…よくわかんない。けどたぶん間違ってない
ちょっとだけ不安に思ったが、社長は別に困った様子もないし全部おまかせで大丈夫だろうと思っていた。…しかし道はだんだんと山に入って細くなり、勾配もカーブもキツくなってきた。こりゃーかなりの峠道だな。
あ あのぉ…ホントにこの道で大丈夫なんでしょうか…
社 わかんない。でも方向は合ってると思うよ
あ なんてゆーか…母ちゃんたちがこの道を行ったとは思えないんですけど…
社 新しい道ってやつはもっと先だよ
あ でもその道に出るまではここを通るんでしょ?
社 あーそういえば、焼山峠から行くと遠回りだとかってどっかで読んだな…これがそうかも。でも峠だし。楽しいじゃん
あ アプローチを間違えた、ってこと?
社 まーそうとも言う、かな
ぐねぐねの峠道を進んでいくと、急に道がキレイになった。道が二股になっていてオレンジ色の案内板が見える。

社 あった!大弛!こっちだな
あ え?いま…おおだるみって書いてあった?
社 うん
社長は案内板を見て左側の道に入っていく。私が案内板を見たのは一瞬だったので「大弛峠」の字を確認することはできなかったが、社長が見たんならそうなんだろう、と思っていた。
しばらくはまっすぐな道で周りには湿地が広がっていた。「乙女高原グリーンロッジ」という建物があり、そこを過ぎたあたりからまた急に道が細くなった。そしてなぜか下っていっている。社長も首をひねり始めた。そこに現れたのが「甲府市」の案内板。
社 あれぇ?甲府に出ちゃダメだろ。っかしいなぁ…
あ ん?こっちじゃないって?
社 なんか下ってるのも変だし…でもさっき大弛こっちって書いてあったよなぁ
あ 私それちゃんと見てなかったんだけど、ホントに書いてあった?こっち方面ってなんか違う字だったような気がするんだけど…
社 んー…さっきんとこまで戻ってみるか
二股のところまで戻り、オレンジ色の案内板を確認。

あ ホラ!大弛じゃないよコレ!
社 うわ!木賊峠か!間違えちゃったよ!
「大弛峠」と「木賊峠」。似てるっちゃー似てるか^^

もう一方の道にある案内板に「大弛峠」の字を発見。やれやれひと安心。駐車場とトイレがあったので、安心ついでに休憩をとる。(ここまでの写真は全部このときに撮影したもの。下の2枚はムリヤリ拡大したので見づらい^^)
ここから先はずっとキレイな道が続いていた。案内板に書かれていた「クリスタルライン」ってやつらしい。この道が新しい道ってやつだろうか。ってことは母たちもさっきの峠を越えてきたんだろうか。なんて思っていたら右からキレイな道が合流しているところに出た。
あ あー…この右から来るのが正しいアプローチなんじゃない?母ちゃんたちはこっちから来たんだよきっと
社 そうかもしんない…でも峠は楽しかったからヨシ!
実は間違えたフリして峠を走りたかっただけなんじゃないかと…。まぁ私も楽しかったからいいんだけどね^^

ここまでの経路を地図に示すと上図のような感じ。赤色が実際に通ってきた道で、青色が右から合流していた道。こんなテキトーな地図で言い切っちゃうのもなんなんだけど、かなりの遠回りだったのは間違いなさそうだ。
案内板も出てきたし、この先はもう迷いようがない。大弛峠までの道はキレイでさっきの焼山峠とはぜんぜん違う。道は広いし明るいし、カーブも勾配もそれほどキツくない。
社 ずいぶんキレイな道になっちゃったんだなぁ…
あ 昔とはぜんぜん違う?
社 違うもなにも!ここヒドイ砂利道…でもねーな、赤土のスゴイ道だったんだよ
あ へぇ~
社 こんなにラクに行けちゃうなんて、なんだか大弛さんに申し訳ないよなぁ…
「大弛さんに申し訳ない」…か。なんだかわかるよーなわかんないよーな^^
峠の頂上が近づくにつれてすこし勾配がキツくなってきた。耳が痛くなってきたのであわてて耳抜きする。道の左側に路駐している車がだんだん増えてきた。…イヤな予感。
社 もしかしてこれ、上に行っても車停められないんじゃねーか?
あ そういえば母ちゃんがそんなこと言ってたよね。駐車場待ちが大変だったとかなんとか…
路駐に切れ目がなくなった状態になり、それがずっと上まで続いていた。イヤな予感的中。とりあえず大弛峠の頂上に到着したものの、駐車場は満杯。…さてこれからどうしようか。