カントリーサインの旅2
懲りないふたり第23の選択(音更町編)
次は社長が引く番。ドキドキしながら「ハイどーぞ」とカードの束を前に出すと、社長は意外にあっさりと1枚を引き、なんのタメもなくスパッと表に返した。


「乙部町」…どう見ても道南です。本当にありがとうございました。
社 あっ…やっちゃった…か?
あ これは…道南…ですね
社 くぅ~もっと慎重に引くべきだったか…
あ 上の方にも道南カードあったんだね
ナビ子さんに目的地設定。
今回2度目の道南。しかも2回とも社長が引いている。落ち込むのを通り越して社長が壊れた。
社 えぇ~?オレどこひいた?おとべ?おとべってドコ?このへん?
あ どーなーん
社 なかったことにしなーい?
あ なかったことに、ならなーい
社 出たな。カントリーサインの神め
昨年は一発目に音更町のトナリの鹿追町を引き、次に社長が道南の七飯町を引いてるんだよね。偶然だけどよく似たパターン。私が十勝を引くと社長が道南を引く…?
社 この道をこんなどんよりした気持ちで帰るとは思わなかったよ…。つーかせたなの次に引けよオレ。あ、せたなの次はオレじゃねぇか。じゃあ札幌の次に引けよ
あ 札幌の次はミラクル激近だったんじゃん…
社 あーもー海のひとキラーイ!水が見えた瞬間、しまったと思ったんだよなー
ボヤキがとまらない社長。のどママメールが届いても…
マ 「おとうさんがいっぱいいる所」だんだんのどさんのゴロあわせになってきてるような…(^^;)ちょっと距離あるね…匂いがしてきたよ。ダメ人間のぉ
社 お父さん?いるいる。いっぱいいるよ
…壊れっぱなしだ。
今夜は室蘭に宿を確保。夕焼けがキレイだったりキツネに遭遇したりして、社長の気分もだんだん落ち着いてきた。ってことで室蘭で一泊。
朝9時半ころに宿を出発。今日が最終日だ。乙部到着予定は昼。帰りのフェリーは苫小牧発19時30分。もう1カ所まわれるだろうか。ビミョーなところ。
道央自動車道に入り、赤茶けた山が見えてくる。有珠山だ。

社 うすざーん!
あ おー!まっしょーめーん!でも煙出てないね
私は火山を見るのが好きだ。なんつーか、自然の偉大さみたいなもんを感じてワクワクしてしまう(もちろん近所で噴火が起きたらそんなコト言ってらんないと思うけど)。しかし残念ながらこの日の有珠山に煙を見ることはできなかった。
噴火湾をぐるっとまわり、国縫から国道5号線に入る。海の向こうにうっすらと駒ヶ岳が見えてきた。

あ 駒ヶ岳見えたよ!あれ?今回初の駒ヶ岳…だっけ?
社 あーそうかもしんない。せたな行ったときは天気が悪かったから見えなかったんだな
昨年はうんざりするくらいに見た駒ヶ岳だったけど、今回はぜんぜん見ていなかったのでなんだか嬉しい。
八雲から雲石峠を越える。ここは昨年江差町に行ったときに通った峠だ。噴火湾の西奥から日本海側に抜ける峠で、一気に高いところまで上るという印象がある。かなりの絶景なのに交通量はわりと少なめで、私はこの峠が好きだ。地元では「八熊峠」とも呼ばれているらしい。

あ これ越えたらもうすぐだよね
社 ドキドキするねぇ~
あ うわ~ドキドキするねぇ!次!次は大事だよねぇ
乙部町は江差町のすぐ北側にある。目的地はもうすぐだ。緊張感が高まる。

乙部町に到着。23カ所目の町だ。
カントリーサインがあったのは「豊浜トンネル」というトンネルの入り口で、実際は乙部町内ではないんだけど…ま、いっか。
男のひとが歩いているのを発見。きっとおとうさんなんでしょう。やっぱり「おとうさんがいっぱいいる所」なのね。

- <だいたいのルート>
- 音更
- (道道75号線・農道・国道274号線・日勝峠)
- 日高
- (国道237号線)
- 門別富川IC
- (日高自動車道)
- 沼の端東IC
- (国道234号線・道道259号線・国道36号線)
- 室蘭(宿)
- (国道37号線・道道107号線)
- 室蘭IC
- (道央自動車道)
- 国縫IC
- (国道5号線)
- 八雲
- (道道1029号線・国道277号線・雲石峠)
- 八雲町熊石
- (国道229号線)
- 乙部(豊浜トンネル)